ケイタマルヤマ30周年記念展覧会「ケイタマルヤマ遊覧会」開催。デザイナーの丸山敬太が内覧会に登場

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丸山敬太が語る展覧会の意図とブランド30年の軌跡

「実は最初のプランではショーを行おうと考えていましたが、今回はショーではなく、より多くの人に見てもらえる形を取ることにしました。それに、僕が作ったものを見せるだけでなく、これまで着てくださったお客様との30年という時間を共有することが大切だと感じたのです。30年という時間を証明してくださるのはお客様なので、できるだけ多くの方々と交流し、お客様の物語を僕の物語としても語れる場が必要だと考え、展覧会という形にしました」と語る丸山敬太。「ケイタマルヤマ(KEITAMARUYAMA)」の30周年を記念した展覧会「丸山百景 ケイタマルヤマ遊覧会」が、表参道ヒルズとラフォーレ原宿の2会場で開催されている。開催に先立ち、2024年9月13日に先行内覧会が行われ、デザイナーの丸山敬太が登場。展覧会や衣装制作のエピソード、今後などについて話した。

2つの会場で異なるテーマ。表参道ヒルズとラフォーレ原宿

今回の「ケイタマルヤマ遊覧会」では、ブランド創設からの30年の歩みを象徴する作品やアーカイブが展示され、異なるテーマで構成された2つの会場を楽しむことができる。表参道ヒルズでは「FASHION」をテーマに、初公開となる1000種類以上のテキスタイル原画やデザインスケッチ、刺繍作品など、丸山敬太のものづくりを中心にした作品を展示。ラフォーレ原宿では「COSTUME」をテーマに、DREAMS COME TRUEや浜崎あゆみ、乃木坂46のライブ衣装など、丸山敬太のキャリアを象徴するコスチュームが公開されている。

会見で、丸山は表参道ヒルズでの展示について、「僕のアトリエ、つまりアイデアが生まれる場所から、アイデアブックやものづくりの過程、そして実際の作品が放射線状に展示されています。30年間で制作した1000点以上のアイテムや、僕が誇るテキスタイルの原画もご覧いただけます。

また、その先にはメディアで紹介された作品が展示され、ただ洋服を見せるだけでなく、お客様がケイタマルヤマの洋服とどのように人生を共にしてきたかを感じられる構成になっています。長年支えてくださったお客様も、初めて触れる方も楽しんでいただける展覧会です。

僕は、着るだけでなく心を満たす洋服を目指しています。デビュー当初から、母から娘へ、あるいは古着屋で若者が手に取るような、長く愛される服を作りたいと思ってきました。今回の展覧会では、Instagramで集めた皆さんのエピソードも展示し、デザインの始まりからお客様の手に渡り、その後の人生にどう関わってきたかまでを一望できる内容になっています」と説明した。

丸山敬太が語るライブ衣装とコスチュームデザインの魅力

また、ラフォーレ原宿に展示されているコスチュームについては「本当に圧巻です。昨日すべてのコスチュームが完成し、展示された瞬間、自分でも震えるほど感動しました。僕は学生の頃からこのような仕事をさせていただける恵まれた立場にいました。ただ、これはクライアントワークであり、アーティストや舞台スタッフの皆さんと寄り添い、彼らが何を表現し、何を生み出したいのかを理解し、それを形にしていくプロセスが求められます。

コスチューム制作は総合芸術の一部であり、チームワークが非常に重要です。ファッションとは異なるアプローチが必要で、その違いが面白いと感じます。例えば、DREAMS COME TRUEさんと浜崎あゆみさんでは依頼のされ方や表現の仕方が全く異なりますが、共通する要素があるのも興味深い点です。

僕はこれを『一人紅白歌合戦』と呼んでいますが、それぞれの個性が集まり、ケイタマルヤマというモチーフで全体が繋がっています。展示の圧巻さはそこにあるのです。

また、僕は2次元作品のコスチュームデザインも手がけており、それも素晴らしい経験でした。ぜひ皆さんにも見ていただきたいです」とコメントした。

DREAMS COME TRUE、浜崎あゆみ

DREAMS COME TRUEや浜崎あゆみとの仕事については、「ドリカムさんたちとは、僕がブランドデビューする前からのお付き合いです。1991年に初めてお仕事をさせていただいたのですが、僕自身が彼らの楽曲の大ファンで、彼らがデビューして勢いに乗っている頃にライブを見せていただきました。その時に『彼らの衣装を作れたらどんなに素敵だろう』と勝手に思い込んだ若者でした(笑)。

当時は今のようにInstagramやSNSがなかったので、アプローチする手段は口コミくらいしかなく、携帯電話も普及していない時代でしたね。僕がデザインしたブックを、彼らがよく訪れるバーのマスターに預けたところ、奇跡的にそのデザインが彼らに届き、そこで初めて衣装を作らせていただくことができました。

それから30年以上のお付き合いが続いているのは、本当に運命と言ってもいいのかなと思いますし、すごく幸せなことだと感じています。

浜崎さんとの仕事でも色々ありました(笑)。長い間一線で活躍しているアーティストは、常に新しいことに挑戦し、妥協せず最後の最後まで追求する姿勢がすごいです。僕たちもギリギリまで、舞台に上がる寸前まで一緒に調整することがよくあります。例えば『リボンをつけてもいいかな?』というようなことも、直前まで相談しながら作業しました。

彼女は常に新しいものを生み出すことに挑戦し、その姿勢がとても刺激的です。緊張感はありますが、彼女は基本的に『敬太が思う通りにやって』と任せてくれるので、それがまた嬉しくもあり、やりがいのある仕事でした」とエピソードを披露した。

乃木坂46

乃木坂46の衣装については、「とにかく数が多かったですね。作るのが本当に大変でした。ただ、彼女たちはしっかりとしたスタイルを持っているアーティストなので、そのスタイルに合わせて衣装を作るのは楽しかったです。

バリエーションも重要で、あまり多すぎてもいけないし、少なすぎてもいけない。その形や色、モチーフをうまく組み合わせて、フォーメーションに合ったデザインにするのが、グループ衣装の面白さでもあります。一つ一つ、どの位置に立つかや、そのフォーメーションに似合うかどうかを考えながらデザインを調整するのは大変でしたが、とても楽しい仕事でした」と語った。

過去と未来を繋ぐ展覧会。ケイタマルヤマのアーカイブを未来へ

また、これからの30年を聞くと「本当に多くの案件があり、時には『これは来世案件かな?』と思うこともあります(笑)。今、僕が一番やりたいのは、これまで積み上げてきたアーカイブを残していくことです。僕一人でやってきたわけではなく、優れたスタッフやチームと共に作り上げたものですから、このアーカイブを未来に繋げたいと考えています。

現在は積極的に若い世代とコラボしていますが、それもこのアーカイブを活用して新しいものを生み出すためです。例えば今回、ラフォーレ原宿さんやブランドとのコラボもその一環です。僕が作ったアーカイブをもっと自由に活用してもらい、新しい作品が生まれてくることを期待しています。

占い師には『このブランドは200年続くだろう』と言われましたが、僕がいなくなった後も、このブランドのアイデンティティが残り続ける形を作りたいと思っています。この30周年を機に、そんな未来に繋がるブランド作りを目指しています」と答えた。

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