「第64回モーダ・イタリア展(Moda Italia 64th)&第74回シューズ・フロム・イタリー展(Shoes from Italy 74th)2025年春夏コレクション」が2024年7月9日からスタートした。今回は113社が出展し、アパレル、バッグ・レザーグッズ、シューズなどの最新コレクションを紹介している。国内外のバイヤー招聘の強化、インフルエンサーの活用、ウェブサイトの刷新などの取り組みも推進している。初日の7月9日には同会場の地下1階ラウンジで合同記者発表会が行われ、イタリア大使館貿易促進部のジャンパオロ・ブルーノ部長は、「日本市場はダイナミックで洗練された市場。革新的な技術と伝統の尊重という2つの要素を合わせた市場であり、イタリアファッション業界にとって日本は戦略的に重要な市場です」と語った。
ミラノやパリなどの国際見本市に先駆けて、日本で最新のイタリアのファッションとイタリア製シューズを紹介するもの。今回はイタリアの13州からアパレル42社、バッグ・レザーグッズ38社、シューズ33社の計113社が出展。レディスウェア、メンズウェア、ニットウェア、レザー・ファーウェア、レッグウェア、バッグ&レザーグッズ、アクセサリー、婦人靴、紳士靴、ファッション雑貨の2025年春夏コレクションを紹介している。
会場の雰囲気を盛り上げ、業界の活性化を図るための企画もさらに強化している。海外・国内バイヤーズミッションでは、日本全国のバイヤーを招待するプログラムもスタートするとともに、東南アジア諸国からのバイヤー招聘をさらに強化し、オーストラリア、韓国、シンガポール、台湾から20人を招聘している。
また、日本のトップスタイリストが選んだ出展社のアイテムを日本の市場向けにコーディネイト。会場内の撮影エリアでモデルが着用し、イタリアファッションの魅力を表現することで来場者にアピールすることに加えて、インフルエンサーによるマーケティング活動の取り組みも導入。イベントの露出を増やし、認知度アップを図っている。さらに、展示会のウェブサイトも刷新し、需要サイドと供給サイドが年間を通じて双方向でコンタクトが取れるサイトにしていく。
会見で、ジャンパオロ・ブルーノ部長は、「これらの取り組みは、イタリアのファッション業界と生産企業にとって日本市場がいかに重要かを示すものです」と改めて強調した。
また、「ラグジュアリーファッションの世界市場において、日本は3番目の規模を持ち、2023年の総売上高は約87億ドルで、全体の8パーセントを占めています。ファッション全体においても、日本は2023年に米国、ドイツ、フランスに次ぐ世界第4位のファッション製品の輸入国で、360億ドル、全体の5.4パーセントを占めています。イタリアは優れたファッションと長い伝統を誇り、その評価は日本への輸出規模にも反映されています。2023年のファッション製品(アパレル、バッグ、レザー、シューズ)の対日輸出総額は20億ユーロを超え、前年比で13.9パーセント増加しました。これは円安にもかかわらず、イタリア製品の高品質への需要が日本でさらに高まったことを示しています。特にラグジュアリーファッション部門では7パーセントの顕著な増加が見られました。高級アパレル製品の輸出が増加したことが主な要因です。イタリアのシューズも依然として人気が高く、輸出が4パーセント増加しています。これらのデータはイタリア製品の高品質と魅力を示すだけでなく、イタリア企業が日本市場の動向やニーズに適応する能力の高さを示しています」と説明。
その上で、「日本市場は競争が激化し、消費者のニーズがますます高まっていますが、これらを克服することでチャンスが広がります。イタリア企業は高品質とデザイン力を活かし、日本の洗練された顧客を獲得できると考えます」と語った。
第64回モーダ・イタリア展と第74回シューズ・フロム・イタリー展は、7月11日まで、東京・渋谷のベルサール渋谷ガーデン1階と地下1階で開催されている。