オム プリッセ イッセイ ミヤケ（HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE）は、2024／2025年秋冬パリメンズコレクション（パリ・メンズ・ファッション・ウィーク）3日目の1月18日、パリのパレ・ド・トーキョー （Palais de Tokyo）で、2024/25年秋冬コレクション「Immersed in the Wilds of Creativity -没入。野性溢（あふ）れる創造力-」を発表した。Photos © 2024 ISSEY MIYAKE INC.
リリースに「コレクションの創作を行うにあたって、インスピレーション源の取り入れ方を突き詰めて探り、衣服との新たな関係性を見出している。それは、インスピレーションの素材を柄や模様として扱うだけではなく、発展させる要素として丁寧に取り組む姿勢に基づいている。こうして完成されたコレクションは、素材が衣服を構成するに欠かせない要素になり、両者の密接で調和のとれた関係を表している」と書いた同ブランド。
オム プリッセ イッセイ ミヤケとデザイナー／アーティストであるロナン・ブルレック（Ronan Bouroullec）氏によるクリエイティブ・セッションとなった今回。ブランドのデザインチームと同氏のドローイングの取り組みは、そのままアートの作品群をコレクションに取り入れるにとどまらず、多彩で豊かな素材集として自由に扱い、作品の世界へ飛び込んで遊ぶように創作したプロセスが特徴的。こうして発展した今回のコレクションは、ブルレック氏が示したブランドのものづくりへの深い理解と、セッションを通して行われた発想力豊かな数々の交流に基づいて完成されたもの。
ロナン・ブルレックは「デザインチームと今回一緒に仕事をすることは、とても特別で驚きのある経験でした。クリエイティブ・セッションを通して、私自身の作品と彼らがつくる衣服の間に、共感する部分と対照的な部分があることに気付き、様々な発見がありました。そんな私たちの間にある距離感と親和性が、このプロジェクトに感動とやりがいをもたらしてくれました」とコメントしている。
RB_DRAWING PLEATS WB
ブルレック氏の代表的な作品群「Drawing」を定番のプリーツ素材に掛け合わせたシリーズ。ドローイングにある余白を衣服の形に活かし、一枚の絵画と一着の衣服の関係性を探るデザイン。プリーツ目の陰影によって、原画の持つ鮮やかで深みのある色彩と繊細な筆致を引き立てている。
RB_DRAWING SCARF
ブルレック氏の作品「Drawing」に描かれた要素から着想を得たマフラーとスヌードのシリーズ。複数色の糸で編まれたアイテムは所々に穴が空き、頭や腕を通すことで様々な巻き方とつけ方が可能。作品を身につけるだけではなく、作品そのものに潜り込むような楽しみ方ができる。
RB_DRAWING COAT
ブルレック氏のドローイングを大胆に載せたコートシリーズ。軽やかなポリエステルの生地にドローイングを表現するために、色ごとに版を分けたシルクスクリーンプリントを用いた。他のプリント方法では表現の難しい、細やかな色の重なりによって生まれる表情が特徴。作品そのものの躍動感が伝わるよう、シンプルでかつ遊び心のある形になっている。
RB_EMBROIDERY SHIRT
自然な風合いが特徴の生地にブルレック氏の「Stylo-Bille」を刺しゅうで表現したシャツシリーズ。3種類のシャツはいずれもボールペンで描かれた元の作品が持つ、細やかで豊かな色彩とその有機的な形を最大限引き出せるようデザインされている。また、原画の輪郭から少しはみ出した部分にあえて刺しゅうを施すことで、刺しゅうが持つ表情と作品のいきいきとした印象が際立っている。
RB_ALL OVER PLEATS
ブルレック氏の代表的な作品群「ALL OVER」を定番のプリーツ素材に掛け合わせたシリーズ。無数の線でまんべんなく埋め尽くされた原作は、作品を鑑賞するのではなく、それに没入する印象を与える。またドローイングを衣服に落とし込むにあたって、肩や袖、裾まわりを広げて、体に重ねてまとえるようにしているため、動くたびに揺れるその様は、まるで生き物のよう。
RB_STYLO-BILLE CUSHION COAT
前身頃のポケットに付いたカバーにコートを入れ込むことで、クッションとして収められるアウター。ゴブラン織りによって表現されているのは、ブルレック氏がボールペンを用いて描いた作品 「Stylo-Bille」。クッションとしては、作品の色味を原画のままで再現し、コートとして着用する際には色味が反転し、異なる配色を表す。
OVERFLOW
「RB_ALL OVER PLEATS」で生まれた形を無地の鮮やかな色味で表現したシリーズ。同シリーズと同様、分量感のある生地を体に重ねて着用したり、広げてシルエットの動きを楽しんだりすることはもちろん、無地（単色）ならではの力強さも特徴になっている。
オム プリッセ イッセイ ミヤケ（HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE）2024／2025年秋冬コレクションRunway looks: Frédérique Dumoulin-Bonnet
オム プリッセ イッセイ ミヤケ（HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE）2024／2025年秋冬コレクションShow images / Backstage: Olivier Baco
