アシックスは7月27日、高機能ランニングシューズ「ゲルカヤノ(GEL-KAYANO)」シリーズの最新モデル「ゲルカヤノ 30(GEL-KAYANO 30)」を発売する。「ゲルカヤノ 30」は走り始めから終わりまでの疲労によるランニングフォームの変化に注目し、安定性と快適性を両立させたもの。アシックスオンラインストアで先行発売し、8月10日からアシックス直営店各店、全国のスポーツ用品店などで順次販売する。価格は1万9800円(税込)。
「ゲルカヤノ」はシリーズは、1993年から展開している同社を代表する長距離ランニング用の高機能モデル。長時間走行してもスムーズな足運びができるようサポート力を高め、足元のぐらつきを抑えるなど、安定性を高めることで多くのランナーをフルマラソン完走に導いてきた。「ゲルカヤノ 30」は、シリーズ誕生30周年を機に安定性を再解釈した新たな機能を設けるとともに、足当たりがやわらかく、なめらかなライド感が得られるなど優れた快適性も追求している。
最新モデルでは、走行距離が長くなり疲労が蓄積すると、走り始めよりもフォームが前傾姿勢になることや、足裏を地面に対しフラットに着地させる傾向が強くなるため、着地からミッドスタンス(重心が足の前側へ移行するタイミング )にかけてプロネーション(回内)する傾向が強くなり、怪我(けが)のリスクも高くなっていくことに着目。足を固定して動きを制限するのではなく、長時間の走行によるランニングフォームの変化に適応した「フォーディガイダンスシステム(4D GUIDANCE SYSTEM)」を新たに採用。安定性と快適性を両立させている。
「フォーディガイダンスシステム」は走行距離とともに変化するランナーの動きを研究し開発した複合的な機能構造。かかと部外側に適切な傾斜をつけ、ヒールコンタクト(かかとからの接地)をよりスムーズにする。また、ミッドソール(甲被と靴底の間の中間クッション材)を内側のかかと部から中部にかけて広がりをもたせた立体形状にすることで、走行時の過度な倒れ込みを抑制し、アーチ部に横に張り出すようにやわらかなフォームパーツを配置することで、疲労時に必要となる中部の安定性に加え、快適な履き心地が得られるようにした。さらに、靴底の接地面積を広げることで、安定した足運びをサポートしている。
ミッドソールは、全体を前作より約4ミリメートル厚くしながら、環境に配慮したクッションフォーム材「エフエフブラストプラスエコ(FF BLAST PLUS ECO)」を採用し、軽量でやわらかなクッション性を実現した。クッションフォーム材の約24パーセントに植物由来の素材を使用している。また、かかと部に足にかかる負担を軽減する衝撃緩衝機能「ピュアゲル(PureGEL)」テクノロジーを内蔵。前作に搭載していたタイプと比べ、「ピュアゲル」は約65パーセントやわらかく、約10パーセントの軽量化を実現している。
靴底は、後部に当社従来ラバーと比較し約3倍の耐摩耗性をもつ素材を使用し、前部にも軽量で耐摩耗性に優れた素材を配している。アッパー(甲被)は足当たりの良いニット素材を採用し、部位によって密度を変えることで、必要箇所を補強しつつ、通気性にも優れた仕様になっている。
また、ユーザーテスト、サイエンス、イノベーション、サステナビリティの4つの構成要素からなる同社独自の設計思想「アシックスデザイン(ASICS DESIGN)」に従い、身体と心の両方にとって優れた構造設計を目指した。
そのほか、「ゲルカヤノ 30」では、製品ライフサイクル(材料調達・製造・輸送・使用・廃棄)で排出される温室効果ガス排出量(カーボンフットプリント)を、アシックスとして初めて表示した。これは、製品の環境負荷を透明性をもって開示するもの。同社が掲げる2050年までに事業における「温室効果ガス排出量実質ゼロ」の実現に向けた取り組みの一環で、今後も、温室効果ガス排出量の表示を順次行っていく予定だ。
アシックス パフォーマンスランニングフットウエア統括部のAJ アンドラーシ(AJ Andrassy)プロダクトマネジメント部長は「長年にわたり、5キロメートル程度の短いレースからフルマラソンまで、チャレンジするランナーに寄り添い、レジェンドモデルと呼ばれるなど多くの方に愛されてきた『ゲルカヤノ』シリーズで先進的な商品を開発できたことを大変誇りに思います。今作は、軽量でありながら高度な安定性、快適性、クッション性を追求し、これまで以上に優れたフィット感と履き心地を提供します。世界のランナーがシューズを着用し、どのような反応を見せるのか楽しみでなりません」とコメントしている。