「六本木アートナイト2023」開催。コアタイム・キックオフセレモニーには鴻池朋子さんや栗林隆さんら参加アーティストが登場

  • URLをコピーしました!
Pocket

「六本木アートナイト2023」コアタイム・キックオフセレモニーがイベント初日の5月27日、六本木ヒルズアリーナで行われ、メインプログラム・アーティストである鴻池朋子さんや栗林隆さんら参加アーティストが登場した。また、コアタイム・キックオフセレモニーでは海外招へいアーティストである国際的パフォーマンスカンパニー、クロースアクトシアター(Close-Act Theatre)によるスペシャルパフォーマンスも行われた。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)

「六本木アートナイト」は、生活の中でアートを楽しむという新しいライフスタイルの提案と、大都市東京における街作りの先駆的なモデルを創り出すことを目的として、2009年に一夜限りのアートの饗宴(きょうえん)としてスタートしたもの。今年で12回目を迎えた。様々な商業施設や文化施設が集まっている六本木を舞台にアート、デザイン、音楽、映像、パフォーマンスなど、様々な作品を六本木の街の中に点在させ、非日常的な体験を創り出す「六本木アートナイト」は、回を重ねるごとに発展し、東京を代表するアートの祭典になっている。

コアタイム・キックオフセレモニーで、六本木アートナイト実行委員長の片岡真実さん(森美術館館長)は「4年ぶりにオールナイトで開催できてうれしく思っています。今年のテーマは都市のいきもの図鑑。コロナ禍の中で私たちは命の意味を実感してきました。また、気候変動、エネルギー問題など、地球を取り巻くエコロジーに向けた関心は、地球全体の近々の課題となっています。こうした背景を踏まえて、六本木という街を歩きながら、人間だけでなく動物、昆虫、植物、そして想像上の動物までを加え、様々な生き物の命を感じ、みんなで考えてみましょうという試みです」とあいさつ。

また、鴻池さんは「今初めて参加アーティストさんたちの顔を見て緊張しましたが、それぞれ違う身体と感覚、大切なもの、尊重するものを持っている人たちだということ、それが一番大事なことだと思いました。そして、コロナを経ての開催で、祭りというものがどういうものかを考える時期に来ている重要な回、人間にとって根源的なことを考えるときに来ているのかなとも思いました。楽しんでください」と話した。

栗林さんは「コロナの前に戻るというよりは、全く違う新しい時代を始めよう、今までの価値観ではなく、個を大事にする、尊重する、人と違うことが恥ずかしいことではなく、自分らしいと思えるようなすばらしい時代がくればいいなと思っています。このような場所を使わせていただけるのは本当に光栄ですし、うれしいです。みなさん、楽しんでいきましょう」などと語った。

長年、人間と自然界の様々な生命について考えさせるようなダイナミックな作品を制作してきた鴻池さんは国立新美術館と東京ミッドタウンで代表作である武蔵野皮トンビなど、トンビのシリーズを含めた作品を展示。栗林隆+Cinema Caravanによるタンカー・プロジェクト(Tanker Project)は六本木ヒルズアリーナに展示。地球全体のエネルギーを象徴する巨大なタンカーをイメージしたという作品は、アートのエネルギーを船に乗せ、世界中に届けるものになっている。

セレモニーには、東京都の潮田勉副知事や港区の武井雅昭区長も登壇した。

スペシャルパフォーマンスを行ったクロースアクトシアターは、オランダを拠点とし1991年に設立した、世界中で活躍するパフォーマンスカンパニー。視覚的な創作にこだわったスタイルが特徴になっている。今回披露された「ホワイトウイングス(White Wings)」は白い翼をまとった幻想的なキャラクターが優雅にウォーキングし、観客を魅了するパフォーマンス。スティルツを身に着けたパフォーマーとミュージシャン、センターステージには歌手。その大きな翼が、観客の頭上を漂い、魔法をかけ、異次元へと誘うようなパフォーマンスとなっている。クロースアクトシアターは、コアタイム・キックオフセレモニー終了後、毛利庭園に移動。再びパフォーマンスを実施した。

「六本木アートナイト2023」コアタイム・キックオフセレモニー

「六本木アートナイト2023」コアタイム・キックオフセレモニーでのクロースアクトシアター(Close-Act Theatre)によるスペシャルパフォーマンス

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!