セイコーウオッチが発信拠点「セイコー シード(Seiko Seed)」をオープン。展覧会「からくりの森」を開催中

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セイコーウオッチは10月20日、東京・渋谷のウィズ原宿(WITH HARAJUKU)1階に時計の新たな可能性を育み、腕時計の様々な楽しさを体験できる発信拠点「セイコー シード(Seiko Seed)」をオープンした。10月20日から11月6日までオープニングを飾る展覧会となる「からくりの森」を開催している。オープンに先駆けて、10月18日にはプレス発表会が行われた。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)

「セイコー シード」は、時計の販売を行うショップではなく、情報発信スペースとなるもの。同社では「時計の楽しさを体感してもらえる場、技術とデザインの発信の場、未来に向けて種をまく場、という意味が込められている」としており、長い歴史の中で生み出した商品から未来への夢まで、技術とデザインを切り口とした様々なイベントや企画展を行い、「時代とハートを動かすセイコー」というセイコーグループのスローガンを体感する場を作ることで、情報発信を行っていきたい考えだ。

今回開催されている「からくりの森」は、ほとんど見る機会のない針の動きや音が鳴る構造を楽しみながら体感出来る展覧会。10月21日から10月30日まで行われているDESIGNART TOKYO 2022の公式プログラムとなっている。

「からくりの森」というネーミングは、同社の通常の商品を企画していく計画とは別に未来に向けた商品や技術開発を行うプロジェクト名として使われていたもので、ふだんは伝えきれていない時計の楽しさや魅力を伝えたいという考えから、1年前から構想していたという。

プログラミングによって自由に針を動かすことが出来る内部構造と、視覚障がい者に向けて時刻を伝える内部構造の2つをテーマにした今回。会場は現代美術家・影絵アーティストのクワクボリョウタさんを外部アドバイザーに迎えてセイコーウオッチが企画制作した「時計仕掛けの森」と、エンジニア集団、nomena(ノメナ)の企画提案をもとに共同で制作した「時計の捨象」という2つのインスタレーションで構成されている。

「時計仕掛けの森」は、小さな時計に秘められた内部構造が生み出す動きを光と陰で大きく映し出す「影絵」によって、楽しみながら時の存在と腕時計の可能性を感じることが出来る空間。局面の壁の部分に漫画の小間のように小回りし、そこにモチーフを映すことで全体のストーリーを見せられるようにするとともに、2つのモーターが入った構造によって、それぞれのモニターが時針と分針を自由に動かすことが出来る構造を使い動物の首や尻尾などを動かしている。また、音声デジタルウォッチで、人の声の代わりに鳥の声や自然の音、時計のコチコチという音などを再生している。

「影絵をバラバラに見せるのではなく、時計仕掛けで組み合わさっているイメージで構成したらどうかと提案した。また、主役であるムーブメントを暗示するために最初に時計の針を入れてほしい、昔の時計の針のように動かしてほしいとお願いしました」とクワクボさん。

一方、「時計の捨象」は、自在で滑らかな針の動きを実現する腕時計の内部構造と音で時間を知らせる音声デジタルウォッチを活用して制作した3つの作品によるインスタレーション。「捨象という、物事の特徴のうち、特定のものを残し、他を捨てることで本質を探る思考方法を用いて、時計に対して時計であることを忘れてもらう、あえて時を刻まない時計を作ることで、セイコーのものづくりの姿勢や哲学を感じていただきたかった」(nomena代表の武井祥平さん)としている。

会場中央に置かれた、あめんぼのように水に浮かぶ時計は、針にフィンが付いていて、フィンを動かすことで水の上を泳ぐ。「時計のムーブメントを手の上に乗せたとき、すごい生命力を持って動くことで印象的で、ムーブメントが生き物のように動いたらどうなるのかということから発想した」(武井さん)という。

2つ目はメトロノームウォッチの内部構造を使い、光を反射したり透過したりするフィルムを付けた60個のムーブメントを並べ、振付のような動きをさせたもの。シンクロナイズドスイミング(アーティスティックスイミング)やダンスを踊っているような作品になっている。

3つ目は音声デジタルウォッチを使用し、光と音で雨の情景を創り出した作品。上から光が落ちてくる場所に音声ウォッチがあり、光が水のように落ちてくるタイミングでいろいろな音を鳴らして、雨が降る様子を抽象的に表現した。武井さんは「音声デジタルウォッチに、今でいうインクルーシブデザイン、多くの人を包み込むような優しさを感じたことからからくりの森を優しく包み込むようなものが出来ないかと考え、森に優しく降り注ぐ雨のようなものを表現しました」と話している。

セイコー シード(Seiko Seed)

所在地 東京都渋谷区神宮前1-14-30 ウィズ原宿(WITH HARAJUKU)1階
電話 03-6271-5061
営業時間 無休(年末年始除く)平日11:00-20:00
公式サイト https://www.seiko-seed.com

展覧会「からくりの森」イベント概要

会期 10月20日~11月6日
11:00-20:00(入場受付終了19:45)
東京都渋谷区神宮前1-14-30 ウィズ原宿(WITH HARAJUKU)1階
入場料無料

読者問い合わせ先 0120-061-012

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