2022年(第40回)毎日ファッション大賞の表彰式が9月20日、東京都千代田区の大手町三井ホールで行われ、NIGOさん、田中文江さん、松任谷由実(ユーミン)さんらが出席した。Text:Shinichi Higuchi(樋口真一)写真一枚目とアイキャッチ画像のみ撮影樋口真一。他は提供:毎日新聞社。
毎日ファッション大賞は毎日新聞創刊110年を記念して1982年に創設されたもの。年間を通してファッションという文化活動の中で最も優れた成果を上げたデザイナーや経営者、コーディネーター、企業、団体を選び、表彰するほか、優れた創作活動をした新人デザイナーやファッションデザイナー以外でファッション界に功績を残した人・団体、ファッション文化に貢献し、社会的にインパクトを与えた人や企業などを表彰している。
2022年(第40回)毎日ファッション大賞大賞NIGOさん
40回目を迎えた今回。大賞を受賞したのはケンゾー(KENZO)アーティスティックディレクターで、ヒューマンメイド(HUMAN MADE)デザイナーのNIGOさん。NIGOさんは「1993年に、アンダーカバー(UNDERCOVER)の高橋盾君と原宿の裏の方に小さなお店を出したところからキャリアを始めました。これまではこのように評価されることもなく、逆に無冠を売りにやってきましたが、このような権威ある賞を頂けて、大変光栄です。我流ではありますが、これからも日本のファッションの楽しさ、日本の文化のすばらしさを国内と海外に伝えていければと思っています」と話した。
2022年(第40回)毎日ファッション大賞新人賞・資生堂奨励賞田中文江さん
新人賞・資生堂奨励賞に選ばれたフミエタナカ(FUMIE=TANAKA)の田中文江さんは「24年間、デザイナーという夢に向かって頑張ってきました。新人ということで照れくさくも感じますが、この時期に新人賞を頂くことにはきっと意味があると思っています。新しい人と書いて新人。年齢や経験は関係なく、やる気や好奇心、行動力が大切なのだと改めて感じました。夢に到達していない方やどこまで出来るのだろうという人もたくさんいると思いますが、まっすぐに自分を信じて進んでいることが大切。夢に向かう若い人や経験を積んだ人にとって、私の受賞が希望やきっかけになれば」とあいさつ。「私がここに立っているのは皆さんのおかげ。本当にうれしいです」と声を詰まらせ、「まだ、夢の途中ですが、これからも新しいことに興味を持ち、頑張っていきたい」と喜びを語った。
2022年(第40回)毎日ファッション大賞鯨岡阿美子賞北村道子さん
ファッション界に貢献した人や団体に贈られる鯨岡阿美子賞を受賞したスタイリストの北村道子さんは「長くやっているとこういう御褒美がもらえると感謝しています」とコメント。
2022年(第40回)毎日ファッション大賞話題賞「デニムde ミライ ~Denim Project ~」
話題賞の「デニムde ミライ ~Denim Project ~」を代表してあいさつした三越伊勢丹リ・スタイルバイヤーの神谷将太さんは「サステナブルやSDGsが当たり前になる未来を目指す中でも、ファッションはいつまでも豊かさや高揚感を与えられるものだと信じています。自社だけでなく業界全体をよりよくしていけるように、今後もこのような企画を続けていきたい」と述べた。
2022年(第40回)毎日ファッション大賞話題賞松任谷由実(ユーミン)さん
同じく話題賞に選ばれた松任谷由実(ユーミン)さんは「ファッションに携わり、精進している方に混ざって賞を頂けて、おこがましいですが、それ以上に誇らしい気もちでいっぱいです。これからは大手を振って『逆さコウモリになれるな』、ファッションピープルの前ではミュージシャンの顔、ミュージシャンの前ではファッショニスタの顔をすることが出来るなと思っています」と笑顔。「子供のころからの、好きなレコードを聴いて、好きなファッションを着て暮らしていけたらいいな、という夢はほぼかないました。大きな責任を伴うという誤算もありましたが、どんなことがあってもファッションは私を勇気づけてくれました。この先の夢は、とにかく続けること。シンガーソングライターとして歌を作ることとパフォーマンスをすることの文武両道で頑張っていきたい」などと話した。
また、表彰式終了後には、新人賞・資生堂奨励賞の田中文江さんの受賞記念プレゼンテーションが行われ、フミエタナカ2022秋冬年コレクションの世界を再現したファッションショーが披露された。