フランス婦人プレタポルテ連盟(Fédération Française du Prêt à Porter Féminin)が主催する「第53回モード・イン・フランス(Mode in France)展2023年春夏コレクション」が7月26日から7月28日、東京・渋谷のEBIS 303で開催された。今回は18社21ブランドが参加。また、前回までは新型コロナウィルス感染症の影響でフランスの出展者は来日出来なかったが、今回は18社中16社が来日した。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)
パリで開催されるフーズ・ネクスト(WHO’S NEXT)やトラノイ(TRANOI)などに先駆けて、日本で最新コレクションを紹介するモード・イン・フランス。
初日の夕方に行われたプレスミーティングで、フランス婦人プレタポルテ連盟のエルヴェ・ユシェ(Hervé Huchet)プロジェクト・ディレクターは「2年半ぶりに日本に来ることが出来てとてもうれしい。出展社は昨年8月展(第51回モード・イン・フランス10社13ブランド)の倍近くなった。初出展も3社ある。出展社がEBIS 303に来たのは初めてだが、とても明るく、きれいなのでとても気に入っている。次回は来年1月31日から2月2日を予定しているが、出展社数はもっと多くなるだろう」などとあいさつ。
その上で「コロナの影響を別として、2019年5月と2022年5月を比較するとフランスの衣服の輸出は14パーセント増だが、特に日本への輸出は46パーセントもアップしている。日本はフランスにとって中国やアメリカと並ぶ輸出相手国だ」と改めて強調。「初日の来場は1年前の2倍で、バイヤーは何となく見に来るのではなく買い付けるために来ていると感じた。次回はより多くのブランドを連れて来たいし、レディースや服飾雑貨だけでなく、コロナ以前のようにメンズブランドが出展するような活動も行っていきたい」と話した。
また、「円安の影響はあると思うが、出展社からはそうした話は聞いていない。来場するバイヤーはしっかりとした顧客を持っているので、安心して買い付けしているのだろうと思っている。衣料品の対日輸出が好調であることについては、金額的にはハイブランドの影響が大きいのかもしれないが、EPAによって関税が下がってきていることも影響している」としている。
今回の初出展ブランドでは、カルニット・アハロニ(Karnit Aharoni)はメンズを作っていた経験を活かし、マスキュリンなスタイルをベースにチュールや刺しゅう、プリーツなど繊細でエレガントな要素をプラスしたデザインを紹介。ドラゴンのエンブレムなどもポイントになっている。デザイナーは「日本からインスピレーションを得ているし、山本耀司さんや三宅一生さん、髙田賢三さんにあこがれていたので、日本に来るのは昔からの夢でした。コロナがなければもっと早く日本に来ていたと思います」と話した。
ナッシュ(Nach)は、すべてハンドメイドで、自然や動物をモチーフにしたアクセサリーや、アクセサリーと同様にオウムのプリントなど自然のモチーフを使ったTシャツなどを展示。「日本のバイヤーがフランスに来るのが難しくなっているので、どうしても日本に来て、見てもらいたかった。日本は大切な市場」という。
ボン・マルシェやホテル. リッツ パリなどでも展開し、「パリのブティックには日本人の客も多い」というインフィニティ・バイ・サミー・ヴォイト(Infinity by Sammy Voigt)。キュビスムのアートからインスパイアされたシャツやニットなどを見せた。また、環境に配慮し、天然素材やリサイクル素材を使っていることもポイントになっている。