デサントは自転車競技 BMX レーシング日本代表の新競技ウエアを発表した。日本代表選手が東京2020オリンピックなどで着用するもの。6月22日、オンラインで行われた「デサント BMXレーシング 新競技ウェア発表会」には長迫吉拓選手、畠山紗英選手、三瓶将廣監督がスイスから参加した。Text:Shinichi Higuchi(樋口真一)
大きな起伏があるコースを自転車でジャンプを繰り返しながら駆け抜け、複数人でタイムを競うBMX レーシング。デサントは2017年、日本自転車競技連盟とオフィシャルサプライヤー契約を締結。2018年から研究開発拠点であるディスクオオサカで日本代表に提供する「デサント」ブランドのBMX レーシング競技ウエアの開発を行ってきた。BMX レーシング競技ウエアの他、デレゲーションウエア、BMX フリースタイル、マウンテンバイクの競技ウエアも提供する。
今回発表した競技ウエアは長迫選手や畠山選手などからの要望も取り入れて作られたもの。従来はゆとりのあるルーズなシルエットだったが、スキーのアルペン競技ウエアなどの開発ノウハウを生かし、体にフィットにしたシルエットや素材、カッティングなどで空気抵抗を減らし、長時間着用していても快適に過ごせるようにした。
レーシングパンツは、10回の試作を繰り返して、強度や耐久性があり、軽量性・通気性が高く動きやすいパンツを製作。素材はPT ZEROで使用しているストレッチ性や軽量性、はっ水性が素材をベースに、通気性を高めるためにメッシュ素材を使用するなど複数の素材を組み合わせた。脚を開き、膝を曲げている自転車に乗るときの姿勢から立体的なパターンにすることによって、膝へのストレスも減らしている。また、レーシングシャツは、フィット感を高めて風の抵抗を減らすため、同社の自転車トラック競技ウエア用の素材を採用し、身体に密着したシルエットにした。
デザインは同社が「デサント」ブランドで各競技団体にサプライするウエア全て共通の「Rising to the Challenge」をコンセプトに、右斜め45度にあがるラインを象徴的に使い、常に高みを目指して挑戦する姿勢を表現している。
今回発表された競技ウエアについて、長迫選手は「風の抵抗を減らすことを考え、ダボダボしたものではないものをお願いしていた。2017年と2018年にトラック競技をしていたころに使っていたトラック競技用のレースウエアの素材を採用してもらえるなど、僕の要望に応えてもらえた。肌触りがよく、汗をかいても不快感がない」。畠山選手は「フィット感が大事だと思っているので、試着を重ねて調整してもらいました。素材も変わり着心地もよくなりました。袖口は切りっぱなしになり、フィット感も上がっていますし、肘のパットを入れても動きやすくなったところも気に入っています」とコメント。
また、1か月後に迫った東京2020オリンピックについて、長迫選手は「僕は2回目で、ある程度オリンピックの雰囲気はわかっています。コロナでこれまでとはガラッと変わったオリンピックになると思いますが、パフォーマンスはこれまでで一番いい。今していることを着実にレースでできればかなりいい結果が得られると思っています」ときっぱり。畠山選手は「トレーニングも順調に進んでいます。練習中のケガは気を付けなければいけませんが、ケガを気にしすぎず、今できることをすべてやって、オリンピックに向けて準備していきたい」などと話した。