アシックスは「ヴィッセル神戸」のアンドレス イニエスタ選手とアドバイザリースタッフ契約を締結した、と発表した。契約期間は10月1日からで、今後、イニエスタ選手がはくスパイクシューズをはじめとする、同社のスポーツ用品の使用、商品に対する開発面でのアドバイス、広告宣伝、販売促進活動などに協力。特に、イニエスタ選手が注目している同社のテクノロジーを最大限に活(い)かした革新的な商品開発を行っていく。Text & Photo : Shinichi Higuchi(樋口真一)
今回の契約は同社の製品がイニエスタ選手から高い評価と信頼を得ているとともに、同選手のアスリートとしてのビジョンや価値観が「健全なる肉体、健全なる精神」という同社の企業理念と合致していることから実現したもの。
アシックスは11月から、イニエスタ選手が試合で使用するディーエスライトエクスフライ4をベースにしたスパイクシューズを販売。今回販売するスパイクシューズは、イニエスタ選手のオールラウンドなプレースタイルを支えるボディを採用していて、アシックスストライプや靴底などの色を、「ヴィッセル神戸」のチームカラーであるクリムゾンレッドにあわせていることも特徴になっている。
イニエスタ選手が使用するカラーと同じディーエスライトエクスフライ4は、11月3日から一部店舗で先行予約を開始。11月23日からアシックス直営店、アシックスオンラインストア、楽天市場をはじめとする「ヴィッセル神戸」のオフィシャルグッズショップ、一部スポーツ用品店で数量限定発売する。価格は1万8,000円(税別)。
同社では、今後は、同選手の意見を取り入れながら作製した製品を提供するほか、アシックススポーツ工学研究所での革新的な製品・開発にも協力を求めたい考えで、来年も様々な商品開発を企画している。
10月22日に行われた会見で、アシックスの尾山基会長CEOは「イニエスタ選手は名実ともに世界トップクラスの選手。全世界のファンや市場に絶大な影響力を持つイニエスタ選手をサポートすることで、当社グループ一丸となって日本、アジアのサッカー市場を再度開拓していきたいし、世界でのアシックスフットボールの存在感を高め、グローバルでのサッカービジネス拡大にも再チャレンジしたい」と強調した。
イニエスタ選手は「日本に来るという、人生の中でも最も大きな決断をするときに、日本でどういうプレーをするのかはもちろん、そのためにシューズをどうするのかということは重要だった。その中で、アシックスの皆さんの熱意や、素材やテクノロジーなど、あらゆる面から選手のプレーを手助けするプロジェクトに自分も関わることができることから契約を決めた。ここ数週間、プロジェクトチームの人たちと議論を重ねてきた。しつこいと思われていたかもしれないが、本当にすばらしい仕事をしてくれた。選手にとってシューズの履き心地はすごく大事だが、すばらしいシューズができあがったと思っている」とあいさつ。また、「アシックスと踏み出した大きな一歩は、喜ばしいことだが、これまで使ってきたブランドのシューズからアシックスのシューズに変えることには大きな責任も感じている。ヴィッセル神戸をトップチームに育てたいし、これからもよりいいシューズを作ることに協力することなどによって、アシックスというブランドを(サッカーでも)より大きくするように、がんばりたい」と意気込みを語った。