日印国際産業振興協会(jiipa)が主催する「インドトレンドフェア2018(The 4th INDIA TREND FAIR 2018:略称ITF 2018)」が9月19日、スタートした。9月21日まで、東京・渋谷のベルサール渋谷ガーデン地下1階で開催されている。Text & Photo:Shinichi Higuchi(樋口真一)
「インドトレンドフェア」はインドのアパレルとホームファッション製品を一堂に集めたインド繊維製品の総合展示会。4回目を迎えた今回。欧米の大手ファッションブランドの既製服や刺繍、アクセサリーの製造を行っている企業やアクセサリー製造を請け負う企業、日本人デザイナーとのコラボレーションを希望している企業など、インド各地から、アパレル系45社、ホームテキスタイル系25社、アクセサリー関連20社、他10社の計90社が出展。
レディースとメンズのアウター、ジャケット、パンツ、スカート、デニム、ワンピース、ブラウス、シャツ、チュニック、カットソー、ストール、ファッションアクセサリー、サンダル、小物、ファブリック、ベット・リネン & ピローカバー、クッション、カーテン、ラグ、マット、テーブルウェアー、ホームファニシング & インテリア雑貨製品など、インドのファッション製品とホームファッションの最新コレクションを紹介している。
国策産業としてインド経済を支えるとともに、ペイズリーや更紗に代表されるインドエスニックデザインや原料生産、染織技術などを世界中に浸透させ、発展してきたインドファッション。インドの繊維産業は、モディ政権の中で、最重要産業と位置図けられているほか、EPAの繊維品目に対する関税撤廃によって、日本企業からも発注先、仕入れ先、生産拠点として注目されている。
開会式で、駐日インド大使館ラジ クマル スリワストワ(Raj Kumar Srivastava)副大使は「日本とインドの関係は盛り上がっており、このフェアのようなイベントが年間45回行われている。インドトレンドフェアは重要なイベントの1つ」とあいさつ。経済産業省製造産業局生活製品課杉浦宏美課長も「最近、インドでは無印良品やユニクロ、アシックス、ミズノがショップをオープンするなど、日本の製品を身近に感じられるようになっています。インドトレンドフェアのような展示会を通して、日本でもインドのすばらしい商品を手に取る機会が増えていくことを期待しています」と語った。
また、インドアパレル輸出促進協議会(AEPC)のHKL マグ(HKL Magu)会長は「インドにとって日本は非常に重要な市場。インドの強みは優れた職人がたくさんいること。また、インドには様々なテキスタイルがあり、独特の技術やプリントもある。ユニクロやH & M、トミーヒルフィガー、マーク&スペンサーなど世界の有力ブランドもインドの顧客」と強調。インド繊維省手工芸品部のシャント・マヌ(SHANT MANU)長官は「インドにとって日本は第5位の輸出相手国だが、日本ではインドのハンドクラフトとともに、アートメタルワークや染色なども人気を集めている。今回は3人の職人がライブによるデモンストレーションも予定しており、イベントの成功を期待している」と話した。
開会式後にはSDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)ステージと題して3組のゲストによるスペシャルトークショーも開催。吉本興業に所属する真理アンヌさん、 松下シュートさん、歩りえこさんのトークショーを通して、貧困をなくそう、飢餓を0になど、2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2016年から2030年までの国際目標であるSDGsをアピールした。マリアンヌさんは
「私は貧困をなくすことに関心があります。子供が1人しかいなかったので、20年ほど1人のインドの男の子を支援を続けていました。時々送られてくる手紙や写真を見て、成長を見ることが楽しかったです」などと話した。
また、会期中にはインド政府より国家受賞者3人のアルチザンによる伝統的なデモンストレーションショーが行われている。
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