アシックスは国際パラリンピック委員会(IPC)とオフィシャルサプライヤー契約を締結した。契約期間は2020年12月31日まで。7月9日、都内で記者会見と契約書調印セレモニーが行われ、アシックスの尾山基会長CEOと国際パラリンピック委員会のアンドリュー・パーソンズ会長らが出席した。
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オフィシャルスポーツウエアやシューズなどを提供
今回の契約は2020年のパラリンピック開催に向けたもの。公式イベントで国際パラリンピック委員会スタッフと、パラリンピック難民選手団にオフィシャルスポーツウエアやシューズなどを提供する。また、来年2019年からは世界パラ水泳、世界パラパワーリフティング、世界パラ射撃でも製品提供を行い、2020年1月1日からは東京2020パラリンピック競技大会および国際パラリンピック委員会主催大会で、開発途上国を中心とした約60か国のパラリンピック委員会に対しても約300人分の選手用トレーニングウエアと競技ウエアを提供する。60か国の選定基準については今後策定される。
会見でアシックスの尾山会長CEOは「アシックスは2016年から世界パラ陸上競技連盟のオフィシャルパートナーを勤めるなど、パラリンピックの大会をサポートしてきた。リオデジャネイロ・パラリンピックと平昌・パラリンピックでは日本代表選手団にウエアを提供してきた。車いす用のパンツなど各国の選手に、それぞれの体型や特徴にあわせたウエアを提供できたことは自信になった。国際パラリンピック委員会との取り組みによって、パラリンピックムーブメントの推進を通じたインクルーシブな社会の創出、健康で持続可能な社会の実現に貢献したい」と挨拶した。
新商品開発も
また、パラリンピックの競技ウエアの開発やゴールドパートナーとしての取り組みについて「技術的に健常者用のウエアへの応用できると思っている。手が動かない人のためのトップスや、介護する人が脱がせやすいパンツなど、パラリンピックの選手が支障なく使えるウエアやシューズは、健常者や身体の動きにくくなった高齢者などにも使いやすいということは間違いない。デザインだけでなく素材や組み合わせ、縫製技術も含めて、商品を開発したい。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピック中にブランドイメージを更に高め、インターナショナルで、かっこいいブランドにしていきたい」と改めて強調。その上で、オートクチュール化が進む中で、オリンピック・パラリンピック選手向けのウエアを中心に、個別に対応し裁断するのではなく、個々の選手の動きや体型、サイズなどに合わせてパーツを組み合わせた、動きやすく着脱しやすいウエアの開発なども進めていることも明らかにした。
国際パラリンピック委員会のパーソンズ会長は「美しいだけでなく、その障がいに応じた機能的な競技ウエアを提供してもらえることに感謝している。いくらお礼を言っても足りないほど。選手たちの次のレベルへのステップアップにもつながると思う」と語った。
また、ゲストアスリートとしてリオデジャネイロ・パラリンピック陸上男子走り幅跳び銀メダリストの山本篤選手、リオデジャネイロ・パラリンピック車いす陸上女子400メートル6位でアシックス所属の北浦春香選手も登場。山本選手は「東京パラリンピックは自分にとっての集大成。いい準備をして、金メダルを目指したい」。北浦選手は「今回の契約を通じてアシックスがパラスポーツを更にサポートしていけることを社員としても光栄に思っています。ベストのパフォーマンスをして上位入賞、メダルを目指せるようにがんばっていきたい」と話した。
アンリアレイジがパリコレクションで発表したシューズなど、ファッションとのコラボレーションなども進め、昨年はGINZA SIXとともに2017年(第35回)毎日ファッション大賞の話題賞に選ばれたアシックス。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた競技ウエアやシューズなどの商品開発も注目を集めそうだ。
Text & Photo:Shinichi Higuchi(樋口真一)
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