「(オリンピックで東京ビッグサイトの利用が大幅に縮小される)20か月の間に中小の出展メーカーは1兆円、支援企業は1,000億円の売り上げを失い、倒産も出ると予想されている」と話す日本展示会協会の石積忠夫会長。日本展示会協会(日展協)の2017年総会懇親会が東京ビッグサイトで開催された。
展示会産業における日本最大の業界団体である日本展示会協会。石積会長は「北京やロンドン、リオなど、これまでのオリンピックでも展示会が中止されたことはないと聞いています。東京も展示会が中止にならないように配慮し、今と同じ規模でできるように代替会場を確保してほしい」とあいさつ。オリンピック展示会場問題の解決を訴えた。
「オリンピック展示会場問題」とは、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックで、東京ビッグサイトが国際放送センターとメインプレスセンターとして使われるために、前年の2019年4月から2020年11月までの20か月間、展示会場としての利用が大幅に縮小され、2020年の5月から9月までの5ヶ月間は東展示棟、西展示棟、南展示棟の全館が閉鎖されることから、多くの展示会が縮小し、展示会自体が中止になるケースなども予想されるというもの。東京都は東京ビッグサイトの4分の1の規模の仮説展示場の建設などの軽減策を発表しているが、これに対して日本展示会協会は根本的な解決に向けて、首都圏での東京ビッグサイトと同規模の仮説展示場の設置や、東京ビッグサイト以外にメディアセンターを仮設で新設することなどを提言している。
東京ビッグサイトでは国際宝飾展やIFF MAGIC JAPAN、ファッションワールド東京、国際アパレルEXPO、東京インターナショナル・ギフトショー、国際メガネ展など、ファッション関連でもたくさんの展示会が行われており、今後の動向やファッション関連の展示会への影響が注目される。