「正倉院の世界 ―皇室がまもり伝えた美―」と「第71回 正倉院展」が今秋、開催

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御即位記念特別展「正倉院の世界 ―皇室がまもり伝えた美―」と御即位記念「第71回 正倉院展」が今秋、開催される。「正倉院の世界 ―皇室がまもり伝えた美―」は10月14日から11月24日(前期10月14日~11月4日、後期11月6日~11月24日)、東京・上野の東京国立博物館平成館で開催。「第71回 正倉院展」は10月26日から11月14日、奈良国立博物館東新館・西新館で行われる。開催に先駆けて5月17日、東京国立博物館平成館で両展の合同記者会が行われ、概要が発表された。

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今回の展覧会は天皇陛下の即位を記念したもの。「正倉院の世界」では、国家珍宝帳や平螺鈿背八角鏡など、正倉院宝物40点(前期、後期各20点)を中心に、法隆寺献納宝物40~50点なども合わせて展示。光明皇后が聖武天皇の御遺愛品をはじめとした品々を東大寺大仏に捧げられたことに由来し、およそ1260年にわたり守り継がれてきた世界的にも類い稀な文化財として知られる正倉院宝物と、明治時代に法隆寺から皇室に献納された品々に由来し、飛鳥・奈良時代の美術を代表するものとして、正倉院宝物と双璧をなす文化財とされている法隆寺献納宝物を同時公開することで、古代の日本文化が持っていたの国際色豊かな文化を紹介する。展覧会は第1章「聖武天皇と光明皇后ゆかりの宝物」、第2章「華麗なる染色美術」、第3章「名香の世界」、第4章「正倉院の琵琶」、第5章「工芸美の共演」、第6章「宝物を守る」の6章で構成。明治時代以降の正倉院宝物に関する保存、修理、調査、復元などの活動にもスポットライトを当て、現代まで守り伝えられてきた様子も紹介する。

秋の奈良の風物詩ともいわれ、間もなく来場者数が1,000万人となる「正倉院展」では、赤漆文欟木御厨子(せきしつぶんかんぼくのおんずし)や 七條刺納樹皮色袈裟(しちじょうしのうじゅひしょくのけさ)など、正倉院宝物の成り立ちを示す宝物や、宝庫を代表する宝物、シルクロードの遺風を感じさせる宝物が展示される。

東京国立博物館の井上洋一副館長は「こんな機会はもうないのではないかと思います。2つの展覧会を通じて皇室が守り伝えてきた美、今後も受け継がれていく悠久の美をたくさんの人に御覧いただければ」と挨拶。

奈良国立博物館の湊公夫副館長は「同じ年に東京と奈良でこのような展覧会が行われたことはありません。日本だけでなく世界中の人に来てもらい、いにしえのときに思いをはせ、そのすばらしさを堪能してほしい」などと話した。

Text:Shinichi Higuchi (樋口真一)

 

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